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野犬

五重塔

 五台山の闇の一つに捨て犬、捨て猫があります。野に放たれた犬や猫は、あとは自然と対峙しながら生きていかなければなりません。そういった姿を度々見せられます。今朝は五重塔の周辺で、まだ小さい子犬が更に小さい子犬たちをリードして、私の気配を感じて遠くから目いっぱいに吠えていました。西門から入っていく私の姿に、こっちへ来るなとばかりに吠えながら逃げて行きました。
 3年前には、ここで20匹くらいの野犬に吠えられたことがあります。薄暗い西門を入って本堂へ向かう途中。この小道の高台に五重塔がありますが、その高台に成長して血気盛んな野犬がわんさかいたのです。それが吠えるに止まらず高台から急斜面をこちらへ向かって続々と降りてくるではありませんか。私の威嚇など何のその、お構いなしにこちらへまっしぐら。後ろは池、まさに絶体絶命、怪我を承知で闘うのか…と覚悟を決めた瞬間ふと閃きが…。
 そう、いつも持ち歩いている懐中電灯にスイッチを入れてみたのです。先頭の野犬に照射すると、目がくらんだのでしょう。たちどころに態勢を崩し駆け下りてきた崖を慌てて逆戻り。すると後続も狼狽して先ほどの勢いは何処へやら。総崩れのように野犬たちは五重塔のほうへ逃げ戻ったのです。しかし、私が本堂近くにいる間中、犬数十匹のけたたましい咆哮の喧騒たるや…。
 こんな怖い思いをする傍らで、そばにはたくさんの穏やかなお顔の仏さん。人の恐怖をしり目に仏さんは何一つ表情さえ変えず、五知衆に至っては我関せずとばかりに背を向けたまま(もともとそこは五知衆の後ろ側・笑)。神も仏もあったものかと思う反面、文殊菩薩の知恵を授かったじゃないか…とも。
 私の恐怖心とその後の行動も、野犬の遠吠えからの突進も、生き残りをかけた精いっぱいの先に導き出されたものだったと思います。今朝出会った未熟な野良犬たちも、この山で生き抜くのに過酷な運命の真っただ中にあり、こちらには迷惑であっても逞しく育っていくのでしょう。「生きる」ことの残酷さを見せつけられるのも自然に触れてこそです。
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